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「和室」はもっと自由で美しい。現代の暮らしに馴染む、良質な和空間の選び方とつくり方|建築設計事務所で家づくり

2026.02.06

 

 

こんにちは。 最近、お打ち合わせの中で「和室のある空間の方が、なぜか落ち着くんです」という声を多く伺います。

市場では「全室フローリング」が標準化していますが、私たち建築に携わる人間から見ると、和室(タタミ・スペース)ほど魅力的で、空間の質を高めてくれる空間も少ないです。

畳のモジュールが生むリズム、視線の低さがもたらす空間の広がり、そして自然素材が織りなす光の陰影。

 今回は、単なる「部屋」としてではなく、建築的な視点から**「良質な和室空間を見極めるポイント」「現代建築における和の可能性」**についてお話しします。

 

 

1. 建築的に紐解く「和室」の空間的価値

 

なぜ和室は心地よいのか。それは単なるノスタルジーではなく、建築的な理もあります。

例えば

「重心」を下げる効果: 椅子座(洋式)に比べ、床座(和式)は視線が低くなります。これにより天井が高く感じられ、同じ面積でも空間に開放感が生まれます。

光のグラデーション: 障子を通した拡散光や、イグサのマットな質感が光を柔らかく反射し、空間に美しい陰影を作り出します。

可変するゾーニング: 襖(ふすま)や障子は、壁ではなく「建具」です。これらを開閉することで、個室にも大広間にもなる柔軟なプランニングは、現代のコンパクトな住宅事情にこそ有効です。

 

 

2. 建築のプロが教える「和空間」の選び方・つくり方

住まいの選択肢によって、着目すべき建築的ポイントは異なります。

「賃貸」「リノベ」「注文住宅」それぞれの視点で解説します。

 

① 【賃貸】ヴィンテージ・ディテールの再評価

古い賃貸物件には、今の新築では再現が難しい「本物の意匠」が残っていることがあります。

 

注目すべきは「真壁(しんかべ)」: 柱が壁の外に見えている「真壁造り」は、日本建築の伝統的な工法です。

木造の構造美を感じられるこのディテールは、古い物件ならではの特権です。新しく作ろうとすると高額になりがちなので、すでにあるものを活用するのも一つの手です。

 

建具のデザイン: 職人の手仕事による欄間(らんま)や、凝った組子の障子など、既製品にはない建具が残っていれば、それは「建築的資産」です。

 

プロのチェック: 柱や長押(なげし)の垂直・水平が保たれているか、床の不陸(ふりく・傾き)がないかなど、構造的な健全性は必ず確認しましょう。

 

② 【中古購入+リノベ】素材と構成の「再編集」

リノベーションの醍醐味は、既存のコンテクスト(文脈)を読み解きながら、現代の素材を掛け合わせることにあります。

 

異素材のコントラスト: 既存の柱や梁を現し(あらわし)にしつつ、床にはモルタルや無垢フローリングを合わせ、一部に畳を敷く。この異素材の組み合わせ(マテリアル・ミックス)が空間に奥行きを与えます。

 

フラットな納まり: 敷居の段差をなくし、フローリングと畳のレベル(高さ)を揃えることで、モダンで洗練された空間を実現できます。

 

建具で遊ぶ: 既存の和室の枠組みを活かしつつ、襖の代わりにガラス戸やルーバー建具を入れることで、光と風が抜ける軽やかな和空間になります。

 

 

③ 【注文住宅】光と視線を設計する「規律ある自由」

 

ゼロから設計する場合、間取りだけでなく「断面」や「開口部」との関係性がデザインできます。

開口部との関係性: 庭の植栽を切り取る「雪見障子」や、空へと視線を抜く「地窓」「高窓」など、畳に座った時の視線の高さを計算して窓を配置します。

 

素材のエイジング: 畳表(熊本県産イグサや和紙畳)、壁(漆喰、珪藻土、京壁)、天井(網代、板張り)。時と共に美しく経年変化する「本物の素材」を選定できます。

 

小上がり: 30cm〜40cmの段差(小上がり)は、ベンチとしての機能だけでなく、空間に立体的なリズムを生み出し、LDKとの緩やかなゾーニングを可能にします。

 

 

3. モダンに見せる「設らえ(しつらえ)」の技術

 

和室を現代的にアップデートするための、建築的なインテリア手法です。

 

照明計画(ライティング): 天井にシーリングライトを「ポン付け」するのは避けましょう。低い位置に置く行灯(あんどん)や、足元を照らす間接照明、建築化照明を用いることで、重心を低く保ち、落ち着きを演出します。

 

余白の美: 家具を詰め込まず、床の間のように「余白」を意識的に残すこと。壁面にアートを一品だけ飾るなど、余白が空間の質を上げます。

 

直線の強調: 水平・垂直のラインを強調する背の低い家具(ローボードなど)を選ぶと、畳の縁や障子の桟(さん)と呼応し、空間全体に統一感が生まれます。

 

 

まとめ:建築的な「目利き」と「技術」で選ぶ

和室は、単なる「畳の部屋」ではありません。それは、日本人が大切にしてきた光の扱い方や、身体感覚に基づいたスケール感が凝縮された場所です。

既にある資産を楽しむ 「賃貸」

空間を再編集する 「中古リノベ」

新たにデザインする 「注文住宅」

 

もし、建物のポテンシャルを最大限に活かした和空間をお求めなら、ぜひ プランズマーケット にご相談ください。

様々な建築設計の専門家がプロフェッショナルとして、構造的な安全性、素材の選定、光の入り方までを読み解き、リノベーションから新築まで一貫してサポートいたします。

 

「なんとなく和室が良い」という直感を、確かな建築デザインとして形にするお手伝いをさせてください。

 

 

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・新築住宅のための土地探し完全ガイド:久留米市編(前編)

古き良き日本家屋に感じる居心地の良さと最新の住宅性能を両立させよう