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特別養護老人ホーム 茜の郷

加藤淳一建築設計事務所

滋賀県草津市に計画されたRC3階建80床の特別養護老人ホームである。西に琵琶湖と比叡山、北に比良山、三上山、伊吹山を望み、南側には旧草津川跡地公園が広がる、眺望と自然環境に恵まれた敷地である。一方敷地形状は東から西に向かって開く三角形状をしている為、建物の形を敷地形状に合わせて西側に向かって開く「ハ」の字型とし、居室を2階と3階の南北両翼に配置した。これにより北側の居室からは霊峰名峰を遠望として楽しめ、南側の居室は旧草津川跡地公園に開かれた、賑やかで明るい雰囲気の居室となっている。南北両翼に配置された居室は「ハ」の字の狭い方で合流して入居者が集まれる食堂・リビングとなり、「ハ」の字の開いた方は共用廊下や浴室等の共用スペースとして、日常的に琵琶湖や比叡山に向かって視線が抜けるようデザインされている。また1階には、中庭のある広い「エントランスホール」や、南側の旧草津川跡地広場に向いた「地域交流スペース」を設ける事で、施設利用者だけではなく地域住民にとっても開かれた老人ホームとなる事を期待して設計した。