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間取りの事例 004
間取りの事例、4回目は家の中に一部「お店」のある家を採り上げましょう。こういうタイプを「店舗併用住宅」なんて言ったりもしますが、今日の間取りはそれともちょっと違った感じの住まい。
このお客さまからのご要望は、「家の中にちょっとしたギャラリーがほしい」でした。奥さんのお仕事として、色んな作家たちとコラボレーション出来る小さなギャラリー。そんなに大々的でなくていいから、ちょっとそういう空間をつくりたい、と。
店舗併用住宅の場合は、家と店の入口は別々なのが普通ですね。そして家から店への出入口が別にある、という感じ。でもこのギャラリーはそうではなくて、靴を脱いで家に上がってから入る空間という設定です。
ちなみにお客さまはまだお子さんのないお若いご夫妻。そしてこのスタイルは、将来的に家族が増えライフスタイルが変わった時には、また別の住宅としての用途にも切り替えが効くように、というご希望も併せていただいていたから、なのでした。
それらをふまえた間取りは、玄関から入ってまっすぐ進むとギャラリー、右へ折れるとLDKという形。そして玄関とギャラリーに付属する建具の操作で、場合によってはLDKと仕切り、普段は開けておく、その両方ができるようにしています。
キッチンは北を背にしてリビングの向こうの南のお庭を楽しめる向き。水廻りはあえて2つに分け、トイレはギャラリーの側、洗面脱衣と浴室は東側に寄せています。トイレはギャラリーのお客さんによる使用も想定すべき、でもそのために別のトイレをつくるのは勿体ないですから。
また、洗濯物は南のお庭で干すのが一番乾きますが、ギャラリーという「お店」が併設されていることもふまえて、北側に屋根付きの専用物干場を設けました。キッチン・洗面所・物干場と、いわゆる家事動線は非常にコンパクトにまとまっていますね。
LDKは広いワンルーム、南東の角に階段のある吹抜けで気持ちいい「抜け」があります。そしてこの空間の中に聳え立っている大黒柱は六寸角。この広い空間の使い方を考えれば、この大黒さん、シンボリックではあっても決して動線の邪魔はしない位置だとおわかりいただけるかと思います。
お次は2階。このお宅はお父さんもご同居の想定なので、2階にはお父さんの個室とご夫妻の寝室があります。部屋は隣ですが、少しでもプライバシー確保のため、間に両部屋ともクロゼットを設け、衣類収納を部屋の間に挟む計画にしてみました。
そして将来子供部屋になる想定のフリースペースは、今は寝室とひとつの部屋にしてあります。これをどう仕切るかはまた将来もう一度考える、という形です。そして階段上がったところの吹抜けに面した場所、ここは「共用スペース」と名付けられていますね。
この「共用スペース」は私のつくる間取りによく登場する部屋。階段を上がって吹抜けに面したところは、1階とも気配でつながる場所ですから、ここも人の居場所にしたい。この間取りのようにカウンターと本棚をつくって、ご主人の書斎的な場所や子供たちの勉強の場所にしたり、用途は色々です。
ここで改めて書きますが、この間取りには「廊下」が無い、ということにお気づきでしょうか。1階はLDKを通じて他の部屋や2階へ向かうことで、2階は「共用スペース」を介してすべての部屋へ行くことで、廊下は必要なくなっているんです。
考えてみれば、廊下ほど無駄なスペースは無いですよね。ちゃんと必要性がある通路ならいいのですが、意味なく無駄に設けるものなら、それは面積の浪費に他なりません。同じ面積の家でより広がりを感じる、そんな間取りにすれば、家全体の面積は少し節約できる計算になるのですから。
2階の南側には長いバルコニーを設けてお布団干しも便利そう。そして玄関とポーチの上にもそのバルコニーを延ばして、少し広い居場所を設けました。これが外観上のアクセントにもなっていますし、春秋の心地いい日向ぼっこの場所にもなったらいいな、という考えです。
この家の延床面積は33坪ほどですが、その中にギャラリーを別に設けた間取りでも、LDKの面積で言えば25帖(12.5坪)も確保できています。延床の割に広い。また前回も前々回も書いたことですが、このようにLDKが南北や東西、2方向で外に面することで風通しは格段によくなりますよ。
最後にギャラリーの空間のことを。ここの上には2階が無く「下屋」になっていますね。ギャラリーに大きな窓をたくさん造ると展示すべき壁が無くなりますが、そう面積の無い部屋で窓が少ないと閉鎖感がある。なのでここは下屋にして天井高さを確保できるようにし、勾配天井の心地いい空間になるイメージなんです。
このギャラリーも先述の共用スペースもそうですが、最初から3次元で考えています。間取りとは3次元空間を2次元に落としこんだモノであり、これが出来た時に空間同士がどうつながり合うか、それをイメージすることが出来なければ、良い間取りはつくれません。
3次元空間の連続体と、それに加えてその空間で動く生きた人間の姿を読み切ることが出来た時、その間取りはそのまま心地良い暮らしにつながっていく。私はそう思いますし、そういう間取りをつくりたいと常に願っている次第です。
※私のブログには他の間取り事例も多々ございます。やまぐち空間計画WEBサイトにて、是非ご覧くださいませ。
取り扱い専門家
一級建築士事務所 やまぐち空間計画 主催の山口敏広です。
五感を通じて人に安らぎをもたらしてくれる木の建物を、お客さまと共につくりあげていくのが私の志事です。
これまでに500を超える数のプラン(間取り)をつくってきた「間取りのプロ」だと自負しております。
ホームページ:https://yamaguchi-spacecreate.amebaownd.com/
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カテゴリ | 戸建て | 戸建てタイプ | 2階 |
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テイスト | 和モダン | 建物概算予算 | その他 |
建築工法 | 木造軸組工法 | 間取り | 4K 4DK 4LDK |
延床面積 | 100〜150㎡未満 | 敷地面積 | 100〜200㎡未満 |
特徴 | 吹き抜け リビング階段 庭 対面キッチン その他 |