• 吹き抜け
• バリアフリー・介護
• 庭
• 縁側あり

とんがり屋根のデイサービス

株式会社　風土計画

方形屋根のデイサービスセンター

医療法人が新規に開設した地域密着型認知症対応型の通所介護施設で、主に地域のお年寄りの昼間の暮らしを家庭的な雰囲気で支えることをめざしている。

敷地は母体の病院敷地に近い閑静な住宅地にある。地形は平坦で緑にも恵まれた好条件にあるが、新しく生まれる交通や景観の変化に対する配慮が求められた。

お年寄りの通いの施設では車での送迎、特に車の乗り降り時の安全確保が課題のひとつとなる。計画地前には幅員６ｍの市道が通り交通量も多くはないので比較的に安全性は保たれていたが、本計画ではさらに敷地のゆとりを活かして、車寄せと主玄関を敷地奥の駐車場側とした。このことにより、車の乗り降りにゆっくりと時間をかけることが可能となったばかりでなく、建物の顔となる東側の庭を介して地域へ開くことが可能となった。この前庭にはご近所の人が自由に立ち入ることができ、テラスでくつろぐお年寄りとの交歓も期待できる。

景観面では、住宅地への景観調和と地域福祉拠点としての適度な存在感に配慮した。周辺の甍との色彩調和を図りつつ形態面での個性を求め、２階部分を小屋組内部に包含する大きな方形屋根とした。直線による構成であるが四隅の小さな面取りがむくり屋根のような柔らかさを生み、“とんがり屋根のデイサービス”との愛称も得た。２階の平面確保のために北、南、西側へドーマー窓が突出するが主たる方形屋根の形態を大きく損なわずにまとめることができた。

屋内は、木材の架構と白壁、民家風の格子や障子の建具を用いてお年寄りのための落ち着いた空間づくりに心掛けた。太陽熱温水器や雨水利用システムの導入も行っている。